あっという間に9月定例会が終わりました。
初めての定例会での活動、感じた課題を自分なりにまとめてみました。
一般質問
奈良市における医療課題の解決法を、医師の視点から提案しました。
奈良市では市が管理する情報を基に「データヘルス計画」を作成し、医療課題を十分に整理できているはずなのに、それに基づいた政策立案ができていません。
例えば各種健診・がん検診の受診率の低迷。ナッジを利用した案内送付や、費用対効果を踏まえた検診内容の見直し、自己負担額の検討など、改善の手段は沢山あるはずなのに、漫然と前年度を踏襲し続けています。。。
原因は「医療政策を立案・指揮できる専門家の不在」だと考えます。
専門家を育成する、あるいは経験のある専門家を採用するなどして、各課の垣根を超えて政策を指示できる専門的人材の確保ならびに組織づくりを市長に提言しました。
厚生消防委員会
市立病院・応急診療所の収支、子ども医療費助成拡大に伴う医療費高騰、について取り上げました。
専門家不在のためか、議会側に提出された収支報告は診療報酬(=診療により得られる収益)の記載すらない杜撰なものでした。
議会側の要求に応じて提出された詳細な会計報告では、その妥当性について疑問符がつき、一部の会派からは「不認定」と判断されました。
写真は委員会で取り上げた収支の一部ですが、医療サービスを維持するのに、果たしてどれくらいのコストが適切なのか、市民の皆さま自身も考えてみるきっかけになればと思います。
また、奈良市の医療費データから、子ども医療費の安易な無償化が、受診率の上昇や医療費の高騰を招くリスクについて言及しました。
一時期、5時間待ちにもなった応急診療所の小児科の現状などを踏まえ、医療費の無償化を進めるならば地域医療体制の確保に、市として十分な投資を行う必要があると提言しました。
自分なりの課題
委員会では所管課の答弁が想定より長く、元々予定していた議題の半分程度しか質疑できませんでした。。議題は次回へ持ち越しです。
また、議会では普通なのかもしれませんが、皆さんほぼ口頭の答弁のみで、ほとんどスライドを使用しません。
へずまさんが奈良公園の写真を見せて説明する姿が印象的だったので、私も総括質疑では委員会資料や論文データを自分なりにアレンジし、スライドとして提示しました。
自分のこれまでの経験を元に、議会でもより説得力のあるプレゼンをしていきたいと思っています。
議会制度の課題
定例会が短すぎると感じました。。
膨大な決算報告書は開会直前に渡され、また追加で要求した資料も委員会の直前に議会側へ提出されるため、一般質問や委員会での質疑ポイントを練るには時間が不足しています。
市側が議会からの資料要求に対して拒否的なのは、議会が行政を監視する役割を持つ以上、仕方ない部分はあると思うのですが、何しろ情報の小出し感がすごい。。。
せめて要求した資料を元に、議会側が十分な答弁を準備できるよう、詰め込み型の定例会スケジュールを改める必要があると感じています(無所属議員の中でも同様の意見が出ています)。
今のスケジュールが続くようなら、時間との勝負になりますし、予算決算の比較にAIの活用などを試してみようと思っています。
議員生活の近況
9月は議会や委員会の出席に加えて、所管課との打合せや、要求資料の内容確認など、ほぼ毎日のように議会棟へ通う日々でした。
私は一部診療にも従事しているため、その分、決算書や要求資料は夜や週末に読み込み、課題を洗い出して答弁を作成しました。
もちろん、質問なしで議会で座ってるだけでもOKな仕事なので、どこまでやる気を出すか次第、なのかもしれませんが、少なくとも9月に関してはかなり忙しい仕事内容に感じました。
さて、定例会のない10-11月は委員会1回のみ。定例会の谷間にどう準備するか、何ができるか。
定例会がない月には、議員はやっぱり給料ドロボーなのか?
またご報告します!